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 この度、平成27年(2015年)3月1日(日)に、第21回日本産婦人科乳腺医学会を東京大学本郷キャンパス内の伊藤国際学術研究センター において開催致すことになり、大変光栄に存じております。
 近年、女性における乳癌の罹患率は増加し、国民の重要な健康課題の一つである「5大成人癌(肺癌・胃癌・大腸癌・肝臓癌・乳癌)」にも含まれるなど、社会的にも関心が高まっています。そして乳癌検診や治療経過における化学療法・ホルモン療法等への関与など、女性疾患を専門とする産婦人科医の潜在的役割も認識されております。
 一方、最近の新医学教育カリキュラムでは、従来の「産科婦人科学」は「生殖器機能系」と名称が変わり、産科婦人科学に加えて、一部の生理学・病理学・放射線医学・乳腺治療学を加えた非常に大きな教育領域を担当することになっております。このことは、若手医師の育成においては、すでに「産科婦人科学」と「乳腺疾患」は近い関係にあり、今後さらに乳癌を含めた乳腺疾患においては、医療チームの一員として産婦人科医の役割が期待されると感じております。
 ところで、本学会は 平成14年(2002年)に第1回研究会を植木 寛教授を会長として発足し、平成17年第7回に学会に改組され、最近では会員数1,000名を超える大きな学術団体に発展しております。そして前述させていただいた様に「産婦人科医が乳腺疾患の診断・治療に、どのような形でお役に立てるのか」というテーマを約20年前から提唱され、今日の学会活動の隆盛に寄与されてこられた諸先輩の方々の彗眼に、改めて心からの敬意を表する次第であります。
 今回の第21回学会では、こうした最近の趨勢を鑑み、テーマを「乳癌に関する大局的な視点:遺伝子・病理から治療・緩和まで」といたしました。特別講演としては、経済産業省NEDO/JBiCプロジェクトリーダーとして活躍され、現在は福島県立医科大学トランスレーショナルリサーチセンター臨床ゲノム学講座教授の渡辺慎哉先生に、「多種悪性腫瘍の新規遺伝子発現プロファイルと分子マーカー:難治性乳癌への取り組み」をご講演いただく予定です。また、基調講演としては、慶應義塾大学医学部産婦人科学教室教授の青木大輔先生に、「遺伝性乳癌卵巣癌―産婦人科医の立場から―」を、教育講演Tとしては、昭和大学医学部乳腺外科学講座教授の中村清吾先生に、ご造詣の深い「乳癌の診断と治療―最近の話題より―」を、教育講演Uとしては、防衛医科大学校病態病理学講座教授の津田 均先生に、「産婦人科医に必要とされる乳癌および関連疾患の病理診断」を、それぞれご講演いただきます。さらに乳癌は転移の頻度が高いことから、予後を含めた「骨転移に対する整形外科的アプローNOW」について、教育セミナーとして、日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野主任教授の徳橋泰明先生に、ご講演いただく予定であります。
 ここに、今回の学会開催の目的と意義、ならびにプログラムの一部をご紹介申し上げました。各講演をいただく先生方は、いずれも乳癌と関連領域に関しては我が国のトップランナーの先生方であり、参加された先生方には、最新かつグローバルな知識を共有し、明日からの実地医療に大きく貢献していただけるのではと期待しております。 多数のご参加をお待ち致しております。
平成26年8月

第21回日本産婦人科乳腺医学会 
会長 古谷 健一
(防衛医科大学校 産科婦人科学講座教授)

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