団体代表者挨拶

多職種連携による学会運営を目指して

日本女性栄養・代謝学会
理事長 杉山 隆

2022年2月21日に開催されました拡大理事会において理事長職を拝命いたしましたので、会員の皆様ならびに関係各位にご挨拶申し上げます。

私は、本学会に1995年に開催されました第19回日本産婦人科栄養・代謝研究会(佐藤和雄会長)から参加させていただいており、四半世紀を超えました。本会の前身である日本産科婦人科栄養・代謝研究会は、約44年前に日本産科婦人科学会栄養問題委員会の有志を中核として、産婦人科領域における栄養と代謝を対象とする研究組織として創設された歴史と伝統がある学術団体です。これまで約45年にわたり、妊婦の栄養や胎児の発育、閉経後女性の骨代謝など、女性の生涯にわたる健康を栄養と代謝という視点から他学会とも協力しながら研究も行い、その成果を社会に発信することにより女性ならびに胎児や小児の健康増進に貢献してきました。今後、本会はこれまで先達により築いていただいた礎を基に本会のアイデンティをさらに示すべく活動する必要があると考えます。

研究会創設40周年目に当たる2016年に開催された第40回学術集会(水上尚典会長)時の理事会ならびに総会において、学術活動の更なる活性化と経営の安定化を目指して「研究会のあり方検討委員会」が設置されました。本委員会では文字通り本会の在り方等について検討を重ねた結果、会の目的を「栄養と代謝の視点から女性の健康ならびに次世代を担う胎児や小児の健康増進に寄与すること」とすることや、継続的かつ開かれた会の運営を目指して「会則の改訂と法人化」を行うことが理事会に提案されました。そして、2018年8月31日の理事会ならびに総会において、定款、定款施行細則、ならびに役員選任規程が承認され、会の名称は、「一般社団法人 日本女性栄養・代謝学会」となりました。さらには法務省への登記など一般社団法人としての事務手続きを完了しましたが、これらのプロセスにおいて佐川典正前理事長の多大なご尽力を賜りました。この場をお借りして感謝申し上げます。

本会の会員資格は医師に限らず「この法人の目的に賛同し入会した個人」と定義されています。すなわち、この会の目的である女性の栄養と代謝に最も近い臨床の現場で関わる他科医師のみならず、看護職、栄養士などメディカルスタッフ、さらには公衆衛生学や栄養学に関わる基礎領域等の研究者にも広く参加いただける組織体となっています。したがって、女性の栄養と代謝に関わるすべての領域の皆様が本会に参加いただき、ご自身の臨床経験や研究成果を発表いただきたいと存じます。特に学術活動は重要であると考え、若い女性のやせや妊婦と栄養、女性アスリートと栄養、プレコンセンプションケア、子宮内環境と児の将来の疾患発症、悪性腫瘍と栄養等の委員会を作り、それぞれの委員会にそれぞれの分野に造詣の深い理事や幹事の方等に入っていただき、さらに他科医師や多職種の方に加わっていただき学術活動を充実し、教育、広報につなげて参りたいと考えています。

本会が今後しっかりと社会的活動を行い、女性の健康増進に資するために、役員の皆様だけでなく、すべての会員のご理解とご協力が不可欠です。ぜひとも皆様には忌憚のないご意見やご提案をいただきたくお願いする次第です。今後、いろいろな局面で皆様のご支援をいただくことになると思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。