会長挨拶

開催のご挨拶

第35回 日本小切開・鏡視外科学会 会長 田中 智子この度、第35回日本小切開・鏡視外科学会を開催させていただくことになりました。

歴史ある当学会を担当することは、私はじめ正志会グループにとりましても大変光栄なことであります。会期は2023年6月2日(金)・3日(土)、伊藤国際学術研究センター(東京都文京区)において開催いたします。

本学会は、2009年5月に「吊り上げ法手術研究会」と「ミニラパ研究会」が統合しNPO法人の学術団体として誕生しました。設立当時は内視鏡手術黎明期であり気腹式の内視鏡手術が安定しておりませんでした。そこで内視鏡手術に体表の吊り上げと小切開を用い開腹手術で確立された安全な手技手法を融合させ、安定した小切開・鏡視内視鏡外科手術を確立させ普及することを目的とし本学会は設立されました。時代は進み、気腹が起こす生理的変化への理解と気腹下での内視鏡手術手技の普及と向上・手術機器の進歩により現在は気腹式内視鏡手術が主流となりました。そして、小切開・吊り上げ・鏡視外科手術は内視鏡手術の別柱として、無駄を削り洗練されて存在し継承されています。

今回のテーマは「引き出しを広げよう」といたしました。3Dカメラや4K~8Kでの高精細画像・ICG蛍光法など安全性を担保するさまざまな開発がなされさらに進化したロボット手術も広がる近年、ここに古くて新しい外科医の創意工夫に満ちた吊り上げ・小切開の概念が融合すれば、さらに手術手技の選択肢は広がると考えます。COVID19パンデミックにより情報のオンライン化が急速に進み内視鏡外科は大きな進化と共通化を遂げました。オンラインの内視鏡映像で育った外科医が映像の外側で次の手を求めるとき、鏡視下での吊り上げ・小切開手術は有益な一手に必ずやなるでしょう。

たくさんの引き出しが皆様に開かれるよう心を込めて準備しています。

2022年6月に開催されました第34回小切開・鏡視外科学会では愛媛大学の渡辺祐司本会会長が余すことなく若手外科医に未来を託す素晴らしい学会でした。その熱につなげていきますよう誠心誠意努力してまいります。

学会会場は東大赤門脇にある伝統と現代建築を融合させた内田ゴシック様式の伊藤国際研究センターです。学会での熱い討論と東京ならではの癒しを準部して皆様をおまちしています。

充実した2日間になることをお約束します。奮って多数の演題登録とご参加をお願い申し上げます。

2022年3月吉日

第35回日本小切開・鏡視外科学会 会長
田中 智子
社会医療法人社団正志会 荒木記念 東京リバーサイド病院 婦人科・腹腔鏡部門長