会長挨拶

第27回日本産婦人科乳腺医学会

開催のご挨拶
第27回日本産婦人科乳腺医学会学術集会会長
藤野 敬史
手稲渓仁会病院 臨床研究・治験・薬務室長
北海道大学病院婦人科客員臨床教授

このたび第27回日本産婦人科乳腺医学会学術集会を2021年3月13日(土)、14日(日)に開催させていただくことになり大変光栄に存じております。当初は札幌にて開催する予定でしたが、コロナ感染の波はいつ収束するか予想が困難であり理事会のご承認を得て完全Web開催の形とすることになりました。Web開催のメリットを生かし、リアルタイム、オンデマンド併用形式により学会期間外の視聴も可能となりますので、遠隔地からのご参加や時間的制約のある方々にとっても参加しやすくなることと存じます。 学術集会のテーマは「健康な乳房と一生を歩む」とさせていただきました。産婦人科医は女性の生涯にわたる健康、QOLの向上という女性医学の分野に関わっております。乳房に関しても若い年代から妊娠・授乳期、閉経後に至るまで産婦人科として関わることは沢山あります。また、乳がん治療そのものに関わることは少ないですが、予防や乳房検診ばかりでなく、乳がん治療後に起こる様々な有害事象に対しても産婦人科医が関われることも数多くあります。さらに、これらのことは様々な職種の方々との協力なくしてはできないことでもあります。日本産婦人科乳腺医学会は今産婦人科医と乳房の関わりについてより広く、深く活動を広げていくことを模索しております。そこで今回の学術集会は産婦人科医として何ができるのか、また他職種との連携について様々な視点で考える機会にしたいと考えております。

特別講演には国立がん研究センター岩崎基先生をお迎えして「乳がんのリスク因子や予防の観点からご講演いただきます。3題の教育講演では、HRT/OCと乳がん、乳がん治療と骨代謝、授乳と乳房の健康に関してご講演いただきます。その他シンポジウム「乳がん治療の周辺をめぐる」ではAYA世代を中心にがん生殖医療、乳房再建、サポート体制、患者さんの生の声をとりあげます。また他職種の関わりとして本年度からスタートして乳房エキスパート看護職制度を基にしたシンポジウム、婦人科がんと共通の課題であるリンパ浮腫に関するシンポジウムも企画いたしました。ランチョンセミナーでは卵巣がんの話題と超音波機器に関する話題をとりあげました。乳房検診では超音波、マンモグラフィのエキスパートの先生方により実践に即した研修となるようなセッションになっております。このように盛り沢山な内容になりましたので例年と異なり、2日間、2列の進行となりますが、これも組み合わせに関わらず興味あるものは全て視聴できるWeb開催のメリットを生かした企画でございます。多くの方々のご参加を期待しております。

本学術集会を機にさらに広く、深く乳房に関わっていただければ幸甚に存じます。是非とも温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。


2020年11月吉日