小切開・鏡視外科学会のロゴ

LEMISLift Endoscopy
& Minimal Incision Surgery

日本小切開・鏡視外科学会代表理事としてのご挨拶

 2019年(令和元年)5月吉日
日本小切開・鏡視外科学会
代表理事 古谷 健一
〔防衛医科大学校名誉教授〕

代表理事 古谷健一の写真

 この度、2018年(平成30年)6月の理事会にて、井坂恵一代表理事の後任としてご推薦いただきました古谷健一と申します。伝統ある本学会の代表理事を務めさせていたくことは大変光栄あるととともに、責任の重さに身の引き締まる思いであります。

 本学会は、平成21年5月にお互い連携し長く活動してきた「吊り上げ法手術研究会」と「ミニラパ研究会」が統合する形でNPO法人として設立された学術団体であります。そして、現在名誉理事としてご活躍の橋本大定先生、名誉監事の永井英雄先生をはじめとする歴代の諸先生方のご尽力とご支援によって本学会は今日に到っております。

 設立の目的は、名称の「小切開・鏡視外科学会(Lift Endoscopy & Minimal Incision Surgery: LEMIS )が示すように、「開腹手術で確立された安全性をいささかも損なわない内視鏡下手術の確立と研究および普及」であり、時に小切開創を十分に活用することで、従来の手術器具やアプローチを生かした内視鏡下手術が可能となるだけではなく、安全性のみならず経済性の面でも優れた手術を構築できるのではないかと考えております。

 一般に、腹腔鏡下手術は「低侵襲性手術」と称されていますが、全身麻酔下で術野の確保では腹腔内にCO2ガスを注入し、気密性の高い環境(気腹法)で手術を行なうことから、時に気体塞栓・皮下気腫の発生や微細な出血の見落し、麻酔面では腹腔内圧の上昇に伴う静脈還流への影響、さらには出血時の急速吸引操作による術野確保の困難など、一度トラブルが発生すると問題点が顕著となり、必ずしも「低侵襲」とは言えない側面も指摘されております。

 こうした内視鏡下手術の「負の側面」をできるだけ小さくする試みの一つが、本学会がこれまで取り組み、普及に努めてきた「吊り上げ・小切開利用を併用した内視鏡下手術」であります。さらに、来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、外傷・脊髄損傷の方々の中には全身麻酔が困難な方もおられ、そうした身体障害をお持ちの患者さんへの腹腔鏡下手術の際にはBIS-自発呼吸下麻酔を併用する「吊り上げ・小切開法」が選択の一つと考えられます。また、内視鏡手術における画像技術は著しく進歩し、最近では究極の8Kパネルも本学会理事により開発されております。

 幸いにも、こうしたコンセプトは外科領域(消化器・呼吸器・内分泌・小児外科など)のみならず、産婦人科や泌尿器科等にも広く理解が進んでいると感じております。そして私事ながら、2017年6月に第30回の本学会を担当させていただいた際にも、同じく強く感じた次第であります。

 ここに、本学会の目的とその役割と意義をご紹介申し上げました。今後とも、本学会への温かいご支援・ご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げ、代表理事就任のご挨拶とさせていただきます。

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