ご挨拶
第13回 日本DOHaD学会大会長
国立成育医療研究センター 内分泌代謝科
堀川 玲子

謹啓 時下、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて来る 2024年8月2日(土)~8月3日(日)、コングレスクエア日本橋におきまして第13回日本DOHaD学会を開催させていただくこととなりました。
本学術集会のテーマは、"DOHaDと先制医療/女性医療"です。DOHaD(Developmental Origin of Health and Disease)の概念の提唱された1990年代から、本邦では出生の10%が低出生体重となり、SGA(Small for gestational age)児の増加が問題となってきました。DOHaD説から本邦の状況を考えると、この子ども達が中年成人になるころには、成人病罹患率はかなり上昇することが予測されます。低出生体重児増加の背景として、生殖年齢男女の痩せ、妊娠中の不十分な体重増加、出産の高年齢化と生殖補助医療による妊娠の増加など、胎児環境の変化が挙げられ、まさに受精時の条件と胎生環境が、成人病の種を植え育てていることを実感します。また、本邦では近い将来において、成人の7人に一人が小児がん経験者になるという試算があります。小児期のがん集学治療が次世代に及ぼす影響も、真剣に考えなければならない状況であります。
このような状況に対し、"先制医療"を進めることが、高齢化が進み、小児期の重篤な疾患が治癒可能となってきた本邦での健康長寿にとって、喫緊の課題であることは間違いありません。行政もこの点の重要性に目を向けている今、本学会を主催させて頂くことは大変意義のあることであります。
会場は、地下鉄日本橋駅直通です。暑い時期ではありますが、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
末筆となりましたが、皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
謹白
